特性がある子どもと受験をめざす――「できるかどうか」ではなく、「自分のやり方」で
- 太蔵 灯村
- 3 日前
- 読了時間: 2分

ふと振り返ると、ある生徒さん(中学受験志望、小学5年生・ADHD傾向あり)のことが思い出されます。この子は、とても明るく好奇心旺盛。一方で、集中が長く続かない・計画を立てて進めるのが苦手・模試での波が大きくて落ち込む――という特性がありました。
最初に無料ヒアリングをしたとき、ご両親は「本格的な受験塾に通っていたけど、本人がつらそうで続かない。どうしてもあきらめてほしくない」とおっしゃっていました。その言葉には深い覚悟が感じられ、私自身「どう支えるか」を真剣に考えたことを覚えています。
授業では、まず彼の「得意な学び方」を見つけることから始めました。得意なテーマに絡めて、先取り学習と探究学習を組み合わせる。苦手な単元には、小さなステップで問題を分解して取り組む。「最初の1問だけは集中して解こう。それができたら褒めよう」。そうやって少しずつ自信を積み重ねていきました。
また、ご家庭との連携も密にしました。宿題の優先順位を保護者と共有し、無理なく進められる量に調整。休校や体調の波に合わせて、学習ペースを変化させる柔軟さが生きてきました。
数か月後、そのお子さまは小さな模試で大きな成長を見せてくれました。計算ミスは減り、以前よりも長く集中できるようになり、「自分のペースでやればできるんだ」という確かな手応えをつかんだのです。
もちろん、すべてが順風満帆ではありませんでした。つまずきの日もありましたし、保護者の方も不安になられることがありました。でも、だからこそ伴走が大切だと私は強く感じています。一緒に考え、一緒に壁を越える――それが私の支えたいスタイルです。
今、この子は志望校に向けて本格的な受験学習を進めています。「本物の理解」と「自分らしい学び方」が、彼にとっての大きな武器になっていると確信しています。
特性のある子どもだからこそ、「塾の型」に当てはめず、自分だけの学び方をつくる価値があります。そして、受験はその学び方を発揮する絶好のチャンスにもなり得ます。
もし、「うちの子も同じように学べるだろうか」「受験って本当に可能なのだろうか」と悩んでいらっしゃる方がいたら、ぜひ一度ご相談ください。あなたとお子さまの未来を、一緒に描いていきたいと思っています。




コメント